来る2007年1月23日(火)から、兵庫県立美術館にて、ヴィデオ・アートの第一人者とも言うべきビル・ヴィオラ(1951~)の展覧会が開催されます(会期は3月21日まで)。
普通に暮らしているとなかなか見る機会のないヴィデオ・アートですが、ヴィオラの作品は悪い意味での気負った実験性が稀薄で、比較的とっつきやすく、印象深いものばかりです。 今回の出品作品は、1990年代以降のものが多く、ヴィデオ・アートの黎明期である70年代に作られた彼の作品群の方を好むわたしとしては、物足りなさがないではありませんが、それでも《クロッシング》The Crossing (1996)や《ラフト/漂流》The Raft (2004)にみられる水や火の物質的なダイナミズムには驚愕させられます。「パッション」シリーズの「静謐な激情」とも言うべき矛盾した様態にも、単純な美しさがみなぎっています。 ヴィオラが奨学生として日本に滞在したときに作られたヴィデオ作品《はつゆめ》(1981)が上映されるのも貴重な機会です。わたしも未見なので、これだけは見ておきたいと思っています。(J)
by eizoubunka
| 2007-01-05 22:56
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