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「日本学」ABC特別講義について
 今更ですが、昨年度の総合講座「日本学」1(秋学期)では、ABCリブラの吉田太郎氏、および朝日放送の東浦陸夫氏と吉田健司氏による特別講義を行いました。(今年の「日本学」で同様の講義を行うかどうかは、調整中です。【追記】2007年度も、昨年度と同じ先生方による講義――ただし、内容は異なります――が行われました。)

第1回(2006年11月15日)
 ABCリブラの吉田太郎氏は、テレビ局のアーカイヴス事業の成り立ちから、現場での具体的な仕事の手順まで、豊富な具体例を交えて分かりやすく解説してくださいました。こうした一見地味な事業は、たとえば貴重なアーカイヴス映像を十全に活用して作られた映像作品『泣き笑い上方演芸50年』(大阪府立上方演芸資料館のホールで長期間上映)や、テレビ番組『米朝・小浜の上方演芸繁昌記』などにも結実しています。アーカイヴス事業の重要さと、その活用の仕方について、示唆に富む講義でした。

学生コメント
 昔の映像を流したり、再放送するということは、話を聞くまで簡単な作業だと思っていたけれど、その昔のテープの内容をデータベース化するという作業自体がとても手間がかかり、なおかつ、肖像権や知的財産権の問題もあって、とても容易なものではないということに驚いた。映像資料を保存するということで、図書館の仕事と似ていると思った。良い映像資料の素材がそろっていてもそれを再び流すには企画編集のテクニックが問われるということで、とてもアイデアや豊かな感性を必要とする大変な仕事だということを知った。これからテレビの映像でも昔のものを見るときに、見方がかわりそうだと思った。(2回生 Yさん)


第2回(2006年11月22日)
 朝日放送の東浦陸夫氏は、主にドラマのプロデューサーとしての豊富な体験を織り交ぜながら、番組の総責任者であるプロデューサーの仕事内容がどんなものなのかを語って下さいました。テレビドラマの予算編成から、スタッフ・キャストの選定、演出上の様々な工夫や、エンド・クレジットの順番、さらにはTV、映画、舞台の違いに至るまで、実体験に裏打ちされた講義は非常に魅力的なものだったと思います。

学生コメント
 私は今まで、プロデューサーやら、ディレクターやら、言葉を知っているだけで、実際どのようなことをするのか、違いは何なのかは、全く知らなかった。今回、話を聴いて、プロデューサーは、大金を預かり、番組の責任をとる、大変な役だということがわかった。プロデューサーの仕事で興味を持ったのが、番組の最後の出演者リストの順番を決めである。あの順番にも意味があったのだなあと驚いた。
 あと、『午前0時の郵便ポスト』ですが、とても良かったと思う。最後にびっくりが入っていた所が観ている人の心を掴んでいると思う。私は、ドラマは視聴率をとらなければやっていけない世界で、大衆向けの作品を作っていると思っていた。しかし、誰かのために作る、あるいは誰かに伝えたいという気持ちで作る、ということを聴いて、とてもすばらしいことだと関心した。これからも、誰かのために作る作品を作ってほしいと思う。(1回生 Tさん)
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第3回(2006年11月29日)
 報道番組のプロデューサーとして長い経験を持つ吉田健司氏は、ニュース番組と違って、ドキュメンタリー番組には「制作者の意図」が入り込むということから始めて、テレビは「事実」だけを伝えているのだろうか?という大きな問題提起をなさいました。ドキュメンタリー番組に、どの程度の「演出」が許されるのか、またその「演出」が「ウソ」に変わってしまう瞬間はどこにあるのかをめぐって、さながら謎解きミステリーのような、スリリングな講義を展開してくださいました。

学生コメント
 私は今日の講義を聴かなければ、ずっとドキュメンタリーを「真実」と思い込みながら見ていたと思います。この講義で気付かされたことは、私の中でかなり大きいモノです。私はドキュメンタリーがけっこう好きで、素直に感動してしまいます。あんなに素直に感動できるのは、ウソがまじっているからだと考えると、納得してしまう。ドキュメンタリーと“ウソ”のつながりに、私は正直ショックを受けている。(2回生 Iさん)

 以上のように、全3回にわたって、非常に密度の濃く、またテレビを考えるにあたってバランスの取れた講義をしてくださった講師の皆様、および全体をコーディネートしてくださったABCリブラの吉田太郎氏に、厚く御礼申し上げます。
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by eizoubunka | 2007-06-09 15:33 | 専修からのお知らせ